高橋悠治 『エリック・サティ:新・ピアノ作品集』etc. / ピアノの別の顔

www.youtube.com しおれた植物に再度水をあたえるしかし、今までとは別の場から汲みあげられた水を蘇生したあとは、かつての姿を保ちながらも、よくみると以前とは別の咲き方をしている手入れが行き届いた優雅に咲きほこる花々、というより、風になびかれ、…

170909 日ノ出町試聴室その3 / 夕も屋 『hana』

www.youtube.com 最近、黄金町から移転した日ノ出町試聴室その3へ。そこは横浜市街地の風俗街から若干外れた通りの建物の二階にある。入り口からすぐに登れる階段は洋風の木張りになっている。この時点で昭和の頃に建てられたと思われる雰囲気を醸し出してい…

札幌国際芸術祭2017 / おもいがけなく遭遇してしまうということ

○札幌国際芸術祭に行ってきた音楽関係ではない自分の身の周りの人に、「札幌の芸術祭に行く(行った)んですよ」というと、 「へー。芸術祭ですか。(格調高そうで難しそうですね。)」というリアクションがまず返ってくる。しかし、17/8/15-16の間に、僕が札幌…

Rob Araujo 『Loading​.​.​. [Full EP]』

www.youtube.com 全く知らないアーティストの作品を試聴なしで買うという、所謂、「ジャケ買い」をしたことがない私。というのは冒険心のなさなのか?はたまたケチなだけなのか?(最近セブンイレブンで買う缶チューハイを100円のやつにしている私は果たして…

福生の楽器屋 その3. 再訪

中央線の中央特快で新宿から立川までを突っ切るのは久しぶりだ。そして立川で青梅線に乗り換える。青梅線の車両はドアがボタン式になっていて停車中に乗客が自由に開閉できるようになっている。これも久しぶり。電車に乗ろうとすると、自分の前の先に入った…

福生の楽器屋 その2. 必要な音

何を目的に福生の楽器屋まで向かったかというと、その根本の理由は今やってるバンドに合う音のベースを追い求めて。加入以来ずっと、持っているベースのセッティングとか弦の種類とか弾き方で試行錯誤しているが、まだ改善の余地を感じている。それに、リー…

福生の楽器屋 その1. 赤いストラト

東京に来るまで福生という地名を知らなかった。一番はじめにその文字列を認識したのは、上京後、青梅線に乗った時。でも、読み方が分からない。「"ふくおい"かな?兵庫の相生(あいおい)みたいに。あれも読めなかったなあ」などと考えていると、車内ディスプ…

宇多田ヒカル「忘却 featuring KOHH」・・・ リズム / 歌詞分析から読み解くラップのフロウ

*注: 本題は中盤以降になります。 ○最近の日本の洋楽事情って???街中でギターとかベースを担いだ高校生とかをよくみかけますが、今時の子ってどんなバンドが好きだったり、どんな曲を演奏してるのかなーと気になりながらも、声をかけると不審がられること…

PPAP分析(構造主義者としての)

「あれは○○○のメタファーよ」とマツコ・デラックスがいかにも言及していそうな以前に。または、人間の行為をなんでも性的なものに結び付ける精神分析学のフロイトのことをしらなくても。果物にペンをさす、という両手の動き。しかし実際には何も持っていない…

170212 / アピチャッポン・ウィーラセタクン『フィーバー・ルーム』

当日の日記の途中からアピチャッポンの舞台の感想になっています。そこから読むことも可能です。しかし、日記内容と舞台の感想の間にもつながりは多少あります。 ○1: 起床 前日の飲みから帰って1時位に寝て、起きたのは13時。よく寝た!起き抜けに、清水富美…

ペドロ・コスタ 『ホース・マネー』

画面奥の暗闇からあらわれてはきえゆく路地の人々の彷徨。大西洋に浮かぶカーボ・ヴェルテ出身の黒い肌は暗闇に沈む。変化する陰影は生と死のうつろい。 暗闇の手前で定点観測しているカメラは観客側にある。ダイナミックな娯楽作品のアトラクション体験とは…

映画 『Y/OUR MUSIC』  タイの都市と地方の音楽から浮かび上がる世界 (Asian Meeting Festival 2016 2/7 )

トムヤムクン、ガパオ、カオマンガイ・・・、料理屋さんも多数あり、最近ではコンビニの惣菜になったり、スナック菓子のフレイバーにもなっているタイ料理は、現在日本で割と一般的になっていると思います。私自身も時々タイ料理屋さんにいったり、たまたま…

151031 水道橋 Ftarri

杉本拓(ギター)、Johnny Chang [from Germany/New Zealand](ヴァイオリン、ヴィオラ)、池田若菜(フルート)、大蔵雅彦(リード) 前回紹介したAntoine Beugerの作品にヴィオラで参加しているJohnny Changがちょうど来日し、Wandelweiser楽派の音楽家と…

Antoine Beuger 『Konzert Minimal』

www.youtube.com この音楽は、12のアコースティック楽器の持続音と沈黙のみによって演奏されている。ただそれだけだ。しかし、そこには驚くほどに情報量が豊かな楽器の音色、そして、問題提起でみちている。 John Cageの、かのあまりにも有名な「4分33秒」は…

UN.a 『Intersecting』

soundcloud.com Intersect : 交差する,相交わる. 現在進行形の交差、と題される本アルバムが「ジャズ&エレクトロニカのニュースタンダード」とプロモートされるのは、このアルバムが昨今世界的に活性化しているジャズ周辺の音楽への応答となっている面がある…

Streifenjunko 『Sval torv』/電子楽器の思想が管楽器奏法にもたらしたもの

<a href="http://streifenjunko.bandcamp.com/album/sval-torv" data-mce-href="http://streifenjunko.bandcamp.com/album/sval-torv">Sval torv, by Streifenjunko</a>streif…

ラッスンゴレライによるリズム講座  基礎編

前置き この前、夜22時ころに新宿駅そばのインド料理屋さんに行ったんですね。店舗ビル7階へ上がるためにエレベータを待っていると、明らかに酔っている20代の女性がドアから出てきて、ふらふら〜としながら「ちょ、ちょ、ちょっとまって…」と千鳥足になっ…

Ricardo Moyano x 笹久保伸

2015/2/7 Ricardo Moyano x 笹久保伸 Guests : Miho & Diego Duo 、5歳くらいの女の子 @三軒茶屋 KENペルーでアンデス音楽を学び、現在は埼玉で秩父前衛派として活動しているギタリスト笹久保伸と、アルゼンチン出身のギタリストRicardo Moyanoのコンサート…

Arca 融解するビート/現代のリズムの揺らぎ

2014年現在、Bjorkの次回作のトラックメーカーとして起用されたArcaは世界の音楽シーンでセンセーションとなっているようだ。それは、Arcaの音楽がこの時代の一種の空気をあらわしているからだと僕は感じる。それでは2014年の時代の空気としてどのようなもの…

静寂の果てに

2014/11/21 (Fri) 【静寂の果てに Ambient Version】 灰野敬二 ナスノミツル 一楽儀光 @秋葉原Goodman 静寂な暗闇の空間 3人の手元から光の花がほのかに咲いては消えていく 光は身体にやさしくふれる 照らし続ける振動は対象を揺らして粒子に溶かしていく 粒…

MadlibのトラックからNew Chapter系/今ジャズ系のリズムを解説する試み

前置き 最近話題のNew Chapter系/今ジャズ系の音楽ですが、特にロバート・グラスパー周辺のドラマーがヤバいなどとドラム進化論的なことがいわれていたり、インド系のヴィジャイ・アイヤー、アントニオ・ロウレイロなどのブラジルのミナス系、アルメニアのテ…

カフカ鼾 新宿Pit-Inn 2Days

14年9月14日(日) カフカ鼾: ジム・オルーク(Bass+Effects)、石橋英子(Grand Piano、Keybord+Effects )、山本達久(Drums+Effects) + 勝井祐二(Violin+Effects) 14年9月15日(月) カフカ鼾: ジム・オルーク(Bass+Effects)、石橋英子(Grand Piano、Keybord+Effec…

Old Jazz→Bjork→Jazz The New Chapter(もしくは今ジャズ)

さて、アイスランドの歌姫Bjorkほどあらゆる響きが混淆したジャンルレスなポップミュージックを表現する音楽家は他にいないと思いますが、今回はそのあらゆる要素の中からジャズ的な要素を抽出し、昔のジャズから最近の(ニューチャプター系や今ジャズと呼ば…

5/23 Brainfeeder ライブレビュー (テイラー・マクファーリン サンダーキャット フライング・ロータス)

現行音楽シーンの最重要ビートメーカーであるフライング・ロータス主宰のBrainfeederのレーベルパーティーのために新木場Agehaへ。数々の出演者の中、今回の目玉といえるテイラー・マクファーリン、サンダーキャット、フライング・ロータスについてライブレ…

ジャズのコスモポリタニズム

先週の水曜日(5/14)に吉祥寺にunbeltipoのライブを観に行くまえに、その日発売のTaylor Mcferrinのアルバム「EARLY RISER」を目当てにタワーレコードへ。Flying Lotus主宰レーベルのBrainfeederからのリリースとして、過去の経験上、ジャンル的にはエレクト…

ジャズに新たなポップ性を求めて (アントニオ・ロウレイロ ライブ評)

日:2013/8/29 (木) 会場:渋谷WWW メンバー:アントニオ・ロウレイロ - piano 鈴木正人 - bass 芳垣安洋 - drums 佐藤芳明 - accordionもう一か月以上前になってしまったが、前エントリーでも取り上げた、ブラジルの若手音楽家アントニオ・ロウレイロの初来…

アントニオ・ロウレイロと挾間美帆 次世代の新たな才能  −ラテン音楽とジャズの共犯関係

Introduction 去年の年末にアントニオ・ロウレイロの2ndアルバム「So」と、挾間美帆のデビューアルバム「Journey to Journey」にほぼ同時に出会った。かたやブラジルのミナス地方の86年生まれの若手音楽家の壮大なソロ作品。かたや日本の音楽大学卒業後にア…