Rob Araujo 『Loading​.​.​. [Full EP]』

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全く知らないアーティストの作品を試聴なしで買うという、所謂、「ジャケ買い」をしたことがない私。
というのは冒険心のなさなのか?はたまたケチなだけなのか?
(最近セブンイレブンで買う缶チューハイを100円のやつにしている私は果たしてケチなのか?!)

一つ言えるのは、知らない音楽をきくには、基本的にCDを買うしかなかった時代をギリギリ通過した年代の私にとって、youtube発達以前は、膨大な気になるアーティストの中から順番にアルバムを買うしかなかった。

だから、何者だか知らない人のアルバムなんて手に取る余裕さえなかった、とはいえる。何しろ学生だったし、使うお金が限られていた。と言い訳してみる。

今や、新しい音楽のdigり方がまるで変わってしまった。

今までは、好きなアーティストのオススメや人脈をたどる、友達のおすすめ、音楽雑誌、音楽本、レコ屋の試聴、ウェブショップ、ブログ、ツイッターのフォロワーのオススメを参照して、実際にフィジカルの盤を買う、というのがほとんどだった。

しかし、最近はもっぱらyoutubeの関連動画から適当に探すことが多い。
(SoundCloudやBandCampも、もちろんdigるのには欠かせないが、最近の自分はyoutube比率が高いモードである)

判断材料はサムネイル、ジャケしかない。
だから、可能な限り先入観を与えられず、誰の価値判断にも左右されない。そこが良い。簡単に自分が未知の領域へ開拓できるのもグッド。

さて、そんな中で、なんとなく気になるジャケ画像をポチッとな。

足元に散らばるゲームのコントローラー、マイク、ヘッドホン、右側のオカリナみたいなのはなんだ?(トトロか?!)

背景にうす〜くアップライトピアノ、そしてキーボードの前に座るデブ。

オタクっぽさを醸し出しまくっている。
いけてないいけてさが最高である(誉めてるんですよ!)

なんだこれ?と思って聞くと、エレガントなピアノと揺らいだ打ち込みのビート。
チルアウトな鍵盤が基調になっているヒップホップ、ネオソウル、ジャズ的な今っぽさがある。
しいていうなら宅録グラスパーっぽいといえるか。

誰だろう?と思ってアーティスト名で検索すると、本人のホームページがヒットし、太っちょの写真が出てきた。絵は本人なんかい!

友達になりたいタイプ笑。
(最近身近にデブの友達がいない)
↑ちなみにここでのデブとは100kg超級をさしている

太っちょにしてはお洒落&エレガントすぎる、というギャップは特に感じないし、それを感じるのは偏見でしかない。見た目ダサいけど音が凄い人、沢山いますよね。

とはいえ、完全に偏見をなくす、というのも無理で、たまにはそう感じることもあったりする。

例えば、見た目と音のギャップ、というのを今まで一番感じたのはグラスパーだった。
グラスパーは見た目がゴリラっぽいじゃないですか(これまた念のため、disではなく、そういや去年のタモリ倶楽部のゴリラ回が最高だった)。

初期の名盤『In My Element』を手に取った時、何かドス黒いサウンドを期待してワクワクして再生ボタンを押したんですが、そのピアノはイケメンの貴公子かよ!、もう少し具体的に例えるなら、黒人メルドーか!と思った次第。

さて、戻る。ざっとプロフの感じでは音楽学校を卒業してLAでピアニスト、プロデューサー、講師として活動しようとしてる人みたい。

この作品は、14分の短い中で、さりげなく展開を沢山作っていて、短編集的でありながらも、自然な流れになっているのが良い。

それに、こういうビートミュージック的なトラックで、鍵盤がメインになっていて、ジャズっぽいソロが多いのも、そんなにはないような気がする。

最近の傾向はどちらかというと冗長にならないようにソロは控えめになりがちじゃないですか。
アンサンブルできかせたり、トラックの抜き差しで流れを作ったりして。

でもこの作品のピアノソロはトラックにとって必然なのが良い。

こういう鍵盤奏者のチルっぽい作品で大好きなアルバムが2枚あって、それはハービー・ハンコックの『Mr.Hands』と坪口昌恭トリオの『Radio-Acoustique』なんですが、それと通じるものも感じる。

凄く良い!

とはいえ、これ位のレベルの音楽を作るミュージシャンは、ライブレベルだと自分が知ってる範囲で日本でもいるし、自分の知らない範囲でも沢山いるでしょう。

しかし、youtubeだけで数か月で6万越えのview数で、いとも簡単にネット上で出会うということは、そんなにはない。

この作品に限った話では全くなく、活動、創作、レコーディングのしやすさを含めたシーンやコミュニティの盛り上がりは、やはり日本よりもやはりアメリカの方が底が厚いのか、と、感じてしまう。

そこらへん何とかしていきましょうや、と感じる日々でございます。