メモ/ランダム

memorandum || (memory / random)

映画

『眠る虫』 目に光る記憶 / 記憶をきくこと

www.youtube.com 私たちは眠っている間に夢をみる。その夢は、私たちが起きている間にみてきた過去の記憶を、編集して再生した私的な映画。人の目はレンズで、耳はマイク、そして脳を記憶装置(フィルム、メモリ)とみなせば、人は「カメラ」であるといえる。…

『タゴール・ソングス』 おしえの音楽

www.youtube.com 詩が、愛であり、祈りであり、薬であり、抵抗であり、おしえの言葉となっている。その言葉がメロディーにのせられ、歌となる。すると、言葉がメロディーと結びついて記憶を刻み、血肉化する。そして、それがその人の一部になる。 しかし、言…

『Take Me Somewhere Nice』(2019)

youtu.be オランダに移住しているボスニア人の少女(ドジ)が、故郷の父親に会いに行くために、従兄弟(とにかく無愛想)とその友人(チャラい)と一緒に旅をする青春珍道映画。 90年代の紛争で多くの人々が移民となったボスニアは、現在は故郷に戻ることが簡単に…

ホン・サンス『次の朝は他人』

今は地方の学校で映画を教えている、そこそこ名が知られているらしい映画監督が、先輩に会いにソウルに行く。そして、3夜連続飲みに行き、たまたま誰かと出会う。その中で、多少のメロドラマがあるだけだ。 と、ストーリーのみを取り出すと基本的にはなんと…

アニエス・ヴァルダ『ラ・ポワント・クールト』読む映画/触れる映画

1955年のフランスの漁村の映画に終始目が画面に釘付けにさせられるとは思ってもいなかった。画面の四隅から四隅までをこんなに凝視させられる映画を今まで私はほとんどみたことがない。 映画に存在するのは物語だけではない。映画の主人公は、そこに映された…

2019年12月中旬

▪️「Jackie」「Julieta」 週末にアマゾンプライムで映画JackieとJulietaを観た。偶然にも、両作品ともに、イニシャルがJの女性の名前がタイトル。そしてともに喪失の物語であり、悲しみの中でひそやかにも希望を見出そうとする物語だった。 とても感銘を受け…

記憶の影 その1: 夢

◾️光の消失 起きているとき、人はその目で物そのものをみているわけではない。人は物体に照らされた光の反射をその目でみている。光がないと人は物をみることができない。夕方になると日が沈み徐々に光が失われやがて夜になる。暗闇の影が深くなると、人のま…

『ひかりの歌』

2019/1/20 ユーロスペース「ひかり」をモチーフにした4つの短歌。それらを元に作られた4つの短編の物語は、ゆるやかにつながりながら季節も心模様もめぐっていく。4人の女性の4編の物語のつながりは、それこそ短歌を交互に読みあい続ける連歌のよう。さらに…

『フロリダ・プロジェクト』真夏に溶けるソフトクリーム

道端の人に買ってもらった一つのコーンのソフトクリームを子供3人でシェアしながら舐め合う姿が印象的。子供たちにとって、甘い食べ物はご馳走である。めちゃめちゃ美味しそうに、ベトベトになりながら食べる姿の愛らしいこと。子供たちは、ちょっとしたこと…

170212 / アピチャッポン・ウィーラセタクン『フィーバー・ルーム』

当日の日記の途中からアピチャッポンの舞台の感想になっています。そこから読むことも可能です。しかし、日記内容と舞台の感想の間にもつながりは多少あります。 ○1: 起床 前日の飲みから帰って1時位に寝て、起きたのは13時。よく寝た!起き抜けに、清水富美…

ペドロ・コスタ 『ホース・マネー』

画面奥の暗闇からあらわれてはきえゆく路地の人々の彷徨。大西洋に浮かぶカーボ・ヴェルテ出身の老翁の黒い肌はリスボンの暗闇の中へと沈んでゆく。暗闇の中で変化する陰影は生と死のうつろい。 暗闇の手前でカメラは常に定点観測をしている。その微動だにし…

映画 『Y/OUR MUSIC』  タイの都市と地方の音楽から浮かび上がる世界 (Asian Meeting Festival 2016 2/7 )

トムヤムクン、ガパオ、カオマンガイ・・・、料理屋さんも多数あり、最近ではコンビニの惣菜になったり、スナック菓子のフレイバーにもなっているタイ料理は、現在日本で割と一般的になっていると思います。私自身も時々タイ料理屋さんにいったり、たまたま…