メモ/ランダム

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空音央『HAPPYEND』

 

 

近未来の地下クラブへの潜入から警察から逃走するまでの疾走感。そこで突然タイトルバックになり、数秒間画面が止まってから、再度駆け抜け始める大胆さ。映画開始早々から目も耳も釘付けになってしまう。

また、クラブでのDJプレイの高揚と、それと同時に主人公が音楽へ没頭する姿から、監督が音楽に対して本気であることも瞬時に感じ取れる。

初見の監督の作品だが、序盤からこんなに未知の期待を感じさせる映画もそうそうない。

音楽への夢を持ち合わせた2人の主人公の男子高校生とその友人たち。メインの5人の国籍は4つにまたがり、全員が日本で生まれ育っている(女子は中国系の1人のみ)。

より保守性が高まっている近未来の世界で、彼らは、出自に伴った悩みだったり、それに限らず個人的だったり、青年期の悩みを持ち合わせたりしている。

そんな彼らの、演技をしているということを超えた自然な親密さにも驚く。5人とも演技経験がなかったとのことだが、カメラがまわっている/いないに関わらず、いつも仲睦まじいのだろう、と感じてしまうほど作為さを感じない。

そこでは、これは映画である、といったり、これはドキュメントである、といった対比が無意味になり、彼らは本当にこの世界で実在している、と思ってしまうほどだ。

特にそれは、彼らから少し距離を置いたカメラからのショットが多用されていることによるものが大きいのかもしれない。カメラが俳優たちの目の前近くから離れていることで、彼らのカメラへの意識が薄まると同時に、その反対に、共演の仲間との距離感が浮き立ってくる、といえるだろうか。

このため、この映画のトーンは彼らの心的状態のトーンと連動することが多いようにも感じる。

彼らが楽しんでいたり、反抗していたりと衝動性が高い時はショットもノリに乗っている。校長が「テロ」と称した、しかし、まだ何も壊されてはいない、あの静的な、(まだどう判断すればよいかわからないという面でも、文字通りの意味でも)、宙に浮いているような、あの出来事も、内的衝動によるものだといえ、この映画の驚くシーンのひとつだ。

反対に、彼らが悩み、行き詰まっている時、それはそのまま映画のトーンにも反映されがちだ。それもまた、無理に劇的にしていないという面では自然体だとも言える。しかし、こういった場面では、「こう撮る」といった意思が、他の場面よりも弱めに感じる。(念のためだが、ここで私はショットはいつもキマッて欲しいと言いたいわけではない)。

このように、衝動性と行き詰まりのそれぞれの描写で対照的な面があると同時に、この両面は常に対比できるわけでもない。衝動的に行動したがゆえに行き詰まることもあるからだ。

特に、青年たちが思いつくまま行動に移したストライキ活動の顛末がそこに対応する。そしてここでは、校長と学生の間の抗争だけではなく、演出と演技と脚本の間で、どのような場面にしたいのか?、というせめぎ合いが生じているように感じる。

この青春映画では、権力側(校長)と抑圧(生徒)される側の対立が描かれているが、校長の佐野史郎に対しては、そんなに悪者ではないかもしれない、と感じさせる余地も残されているように感じる。特に佐野史郎本人の演技からそう感じるし、監督としても完全な悪者に仕立てようとはしていないようではある。

こういった演技、演出面では安易な二項対立は避けられている。しかし脚本としては、結局、選択肢が差し出された上で、片方が選ばれる展開が作られている。

様々なせめぎ合いの中でそのような結末を迎える時、それに対して外部の者がいだく意見は割れる。いいかえれば、この場面は、鑑賞者の鏡として機能している。

私がどう感じたかというと、学生の無計画な実行が結局それほど本気ではなかったとことも、校長の見せかけの譲歩も含めて、全てがグダグダ、である。特に、仲間からの差し入れを受け入れる、ということは弱さを露呈してしまうことにならないのか。

ただ、大人数の青年たち全員に本気を求めるのも、厳しい状況で意思を団結させるのも、現実としては難しいだろう。と考えると、彼女の涙はそれを甘んじて受け入れざるを得ないことで流れたように感じる。

先に、このシーンには校長と学生、演出と演技と脚本のせめぎ合いがある、と指摘したが、このようにそのせめぎ合いは仲間同士内にもあるといえる。そして、外部の意見が割れる、というのは、映画を観た人々の間にもそれらの様々なせめぎ合いが伝播している、ということだ。

そして、それは、まさに今の時代のあらゆる場所(特にインターネットを通じて)で日常的に起きている事と通じている。

ただ、行動することに対して、他人(友人)との食い違いに悩むことも、内的に葛藤することも、その上で思いきって行動に移すことも、結果がどうあれ大事なことだ。若い時ならなおさら。

そして、身近な友人と自分が根本的に食い違っているように感じた時でも、相手を受け入れようとすること。全然わからなかったり、嫌だなと思ったり、色んなことが無理だと諦めたくなっても、ユーモアと同時にそこだけは失わない姿がまぶしく映されていた。


24/11/1鑑賞

 

フレデリック・ワイズマン 『Menus-Plaisirs - Les Troisgros (邦題: 至福のレストラン/三つ星トロワグロ)』

www.youtube.com

 

フランスの片田舎の三つ星レストランの仕事をめぐる4時間の体験コースのような映画。

レストラン内の料理人、ホール担当(ギャルソン)、ソムリエはもちろん、仕入れ先の市場、農家、牧場、など、そこに関わる様々な人々の仕事がとらえられている。

料理のために色とりどりの食材が用いられながら、その作業をじっとみつめたり、仕事の説明を聞き、飽きることなくその体験は終わった。

いや正直に言えば、チーズ工場内の人の解説は少し長くて退屈し、そこだけ10分位うとうとしまったが、レストラン内やその周りの鮮やかな自然、農場のシーンは終始目をひかれた。*1

そしてこれも長時間の中の曖昧な記憶になってしまったが、どこかで誰かが「料理は言語だ」みたいなことをいっていたような気がする。

もちろん人間の行動には基本、言葉は伴うものだ。

仕事をする時は、1人の時でも頭の中で使うのはもちろん、特に複数人で仕事をする時は言葉で相手に伝えることが重要になってくる。

ここでいう仕事とは、単純に、何かを作ること、といいかえていい。

何かを作るのは、それを作りたいからで、出来上がる前に作りたいもののイメージがある。

ただ、イメージ、とはなんなのだろうか。

どこまでイメージしているのか?イメージできているのか?

具体的なイメージがまだない状態で、手探りでイメージをかためていくこともある。

そして、現実に何かを作るときは、必ず何か素材を用いる。素材から、どのように作るかイメージをしていく。

そのようにして、人と共に何かを作る時、どのように対象を言葉で捉え、それをどのような言葉の表現で相手に伝えていくのか。

そのようなことは作業として、当然誰もが行うことだ。

ただ、私自身、料理というのは言葉以前の感覚で作り上げられていく傾向が大きいと思っていた。(ちなみに、私はというと料理は家でたまに1人で作るくらいである)

それは音楽に少し似ているのではないかと(もちろんかなり異なる面もあるが)。


しかし、この映画を通して強烈に感じたのは、誰かが言ったように、かなり「料理は言語」であるように扱われていることだ。

料理を作り上げていく上で、「言葉」は欠かすことの出来ない調理器具のように働いているようだった。

よりよいものを作るための素材の選択、それらを組み合わせて調理をし、料理にしていくときのイメージの強度、そして、それを言葉にして相手に伝えていく姿。

それについて特に考えさせられたシーンは、序盤の会議室でのシェフ2人のミーティングだ。

若い方の男が魚のメインディシュの内容を説明している。

それに対してもう1人の年上の男が、アーモンドのスライスをいれるか、またはピューレにするか、など、ソースや付け合わせの案をいくつも挙げていく。

または、別の魚はどうか、それは今旬ではなかったり、今なかなか入手できない、など2人で試行錯誤していく。

若い男は言われた内容をメモしているようだが、もう1人の男は話すだけだ。

しかし、彼は頭の中で調理し、味付けをし、味の微調整を厳密にイメージしているように見える。

そのような言葉の強度が感じられるのだ。

そしてその後、この机上のイメージをもとにした議論、味の微調整は、実際に厨房での試食の場でも行われる。

そして、ここで驚くのは、厨房での試行錯誤が、会議室での言葉だけの試行錯誤と全く同じように行われている事だ。

彼の頭の中には厨房があり、そこで彼は料理をしている。そして更に、それを言葉で他人に説明することもできる、といえばいいだろうか。

それは目の前に素材や器具や実際の料理があるかに関わらないのだ。

机上が全く空論になっていないようだともいえる。

それを可能にしているのは料理という作業の特色にもあるかもしれない。

少なくとも音楽ではかなり難しいことだと思う。それは音楽批評の困難性などにも繋がっていくが、ここでは関係ないのでそんなことは置いておく。

自分が何を作るにしろ、なんの仕事をしているかにしても、その時にどのように言葉が使えるのか?

そのことについて考えるきっかけがこの映画にはあった。

そして、職人の技術が言葉で裏打ちされていることが感じられ、その言葉は人が料理を通して喜ぶために捧げられており、それが、仕事仲間や家族の間、そして、シェフ(レストラン)とお客の間の親密さに現れていることに心打たれている。

*1:ところで、どんな作品でも、この辺で寝てしまった! とレビューで書くことも実は大事なことではないか。暗闇では眠たくなるもの。恥ずかしがらなくて大丈夫!

SPARKS『Terminal Jive』 全曲和訳

スパークス通算9枚目、1980年のアルバム『Terminal Jive』。前作『No.1 in Heaven』のヒットに引き続き、ジョルジオ・モロダー(イタリア人)のプロデュースが続く予定だったが、多忙のため大半の曲がハロルド・フォルターメイヤー(ドイツ人。映画『トップガン』のサントラなど)プロデュースに引き継がれたとのこと。前作がシンセ主体のテクノポップだったのに対して、このアルバムでのシンセの立ち位置は鍵盤(シンセサイザー)としてのバンドアンサンブルの一部となっている。ギターも入っておりサウンド面含めてニューウェーブ色が強い。

新しく加わったシンセはバンド編成の一部とも言えると同時に、音色はバンドサウンドに、打ち込みの自動化はビート感に大きく影響を与えることになる。

Wikipedia、というよりその元の音楽レビュー?に、ギターが主体になった、とあるが、音を聞くとそこまででもないだろう。ニューウェーブ的なギターもあるが、多くの伴奏や印象的なリフ、メロディがシンセで演奏されている。

打ち込み主体でアルバムを作り続けるのはまだ機材やプロデューサーに頼らなければいけない時期で、演奏形態としてはドラム、ベースも加わったバンド形態に戻ることとなった。というより、その形態こそがまさにニューウェーブのバンドが登場してきた時代だったといえる。

とはいえ、彼ら的には元ロックバンドがディスコをやってる、という自意識なようで、それはそのまま3曲目の歌詞に自虐的にあらわれている。

一曲目の「When I'm with You」はフランスで6週連続チャート1位になるほど、スパークスのキャリアの中でもかなり売れた曲とのこと。シンプルなラブソングかつ、適度にロマンチックでユーモラス、さらに、サビで「曲の途中だけど」と、いきなりメタな視点を持ち出してくるのもいかにもスパークスらしい。

 

youtu.be

 

■1. "When I'm with You" 5:45
[Refrain 1]
When I'm with you
I never have a problem
when I'm with you
I'm really well-adjusted
when I'm with you, with you, with you, with you
When I'm with you
君がいれば
僕には悩みがなくなる
君がいれば
僕は社会適合できる
君がいれば

[Refrain 2]
When I'm with you
I lose a lot of sleep
when I'm with you
I meet a lot of people
when I'm with you, with you, with you, with you
When I'm with you
君がいれば
僕は眠れなくなる
君がいれば
僕はたくさんの人と知り合える
君がいれば

[Chorus]
It's the break in the song
When I should say something special
But the pressure is on and I can't make up nothing special
Not when I'm with you
曲の途中だしなにか良いこと言わなきゃ
でも緊張に押しつぶされて何も言えない
君がいないから

[Refrain 3]
When I'm with you
I never feel like garbage
when I'm with you
I almost feel normal
when I'm with you, with you, with you, with you
When I'm with you
君がいれば
僕は自分がクズみたいに感じずにすむ
君がいれば
僕は正気になれる
君がいれば

[Interlude 1]

[Refrain 4]
When I'm with you
I'm always hot and bothered
when I'm with you
I always need a shower
when I'm with you, with you, with you, with you
When I'm with you
君がいれば
体が火照るし困っちゃう
君がいれば
いつもシャワーしなくちゃいけない
君がいれば

[Chorus]
It's that break in the song
When I should say something special
But the pressure is on and I can't make up nothing special
Not when I'm with you

[Refrain 5]
When I'm with you
I never need a mirror
when I'm with you
I don't care what I look like
when I'm with you, with you, with you, with you
When I'm with you
君がいれば
僕には鏡はいらない
君がいれば
僕は自分の見た目なんてどうでもいいんだ
君がいれば

[Interlude 2]

[Refrain 6]
When I'm with you
When I'm with you
When I'm with you
When I'm with you, with you, with you, with you
When I'm with you


[Chorus]
It's the break in the song
When I should say something special
But the pressure is on and I can't make up nothing special
Not when I'm with you

[Refrain 7]
When I'm with you
I never have a problem when I'm with you
I'm really well-adjusted when I'm with you
I lose a lot of sleep when I'm with you
I meet a lot of people when I'm with you
I never feel like garbage when I'm with you
I almost feel normal when I'm with you, with you, with you, with you
When I'm with you

[Outro]
When I'm with you
When I'm with you
When I'm with you
When I'm with you
When I'm with you
When I'm with you
When I'm with you
When I'm with you
When I'm with you
When I'm with you

■2. "Just Because You Love Me" 4:36

[Refrain 1]
Baby, baby, give it to me, give it to me
Baby, baby, give it to me, give it now
Is that all I get?
Is that all I get?
ベイビー、ベイビー、ちょうだい、ちょうだい
ベイビー、ベイビー、ちょうだい、今ちょうだい
それだけ?
それだけ?


[Chorus]
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
君は僕に恋してるんだから
君は僕に恋してるんだから
君は僕に恋してるんだから
君は僕に恋してるんだから

[Refrain 2]
Baby, baby, give it to me, give it to me
Baby, baby, give it to me, give it to me
I'm not that quick
This is ridiculous
ベイビー、ベイビー、ちょうだい、ちょうだい
ベイビー、ベイビー、ちょうだい、今ちょうだい
僕はそんな早くないよ
馬鹿げてる

[Chorus]
Just because you love me
Just because you love me
君は僕に恋してるんだから
君は僕に恋してるんだから

[Bridge]
It's common courtesy
Don't be a nurse to me
You save your worst for me
普通してくれるもんじゃん
看護婦みたいにならないでよ
僕に遠慮しすぎだよ

[Chorus]
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me, just because you love me
Just because you love me

[Interlude 1]

[Refrain 3]
Baby, baby, level with me, level with me
Baby, baby, level with me, level with me
What should I do
When you say no?
ベイビー、ベイビー、ぶっちゃけ、ぶっちゃけ
ベイビー、ベイビー、ぶっちゃけ、ぶっちゃけ
僕は何をしたらいいのかな?
君がノーと言ったときは

[Chorus]
Just because you love me
Just because you love me

[Bridge]
It's common courtesy
Don't be a nurse to me
You save your worst for me

[Chorus]
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me, just because you love me
Just because you love me


[Interlude 2]

[Chorus]
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me, just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me, just because you love me
Just because you love me

[Outro]
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me
Just because you love me


■3. "Rock 'n' Roll People in a Disco World" 4:47

[Refrain]
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
ディスコ界のロックンローラー
ディスコ界のロックンローラー

[Verse 1]
They sing "Hard Day's Night", they're as high as kites
And they sing and play and carry on like
ハードデイズナイトを歌って、凧のようにフラフラ
そして、こんな感じに歌って演奏する

[Refrain]
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
ディスコ界のロックンローラー
ディスコ界のロックンローラー
ディスコ界のロックンローラー

[Refrain]
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
ディスコ界のロックンローラー
ディスコ界のロックンローラー
ディスコ界のロックンローラー

[Interlude 1]

[Refrain]
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world

[Verse 2]
They make LP records and a few make comebacks
And the rest sell shoes to all the others
レコードを作ったうち 少しだけカムバック
残りは靴をみんなに売るだけ

[Refrain]
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world

[Refrain]
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world

[Interlude 2]

[Refrain]
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world

[Refrain]
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world

[Refrain]
We're rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
Rock 'n' roll people in a disco world
俺たちディスコ界のロックンローラー
ディスコ界のロックンローラー
ディスコ界のロックンローラー


■4. "When I'm with You (Instrumental)" 3:45


■5. "Young Girls" 4:49
[Verse 1]
I like their arms
I like their legs
I like their lips, their widening hips
Their radios
腕が好き
脚が好き
唇が好き 幅広いお尻も好き
ラジオも

[Verse 2]
They live at home
They don't have cars
I have a home, I have a car
They like that, they like that
みんな自宅に住んでいて
みんな車は持ってない
僕は家を持ってる、車も持ってる
みんなそれを気に入ってくれる

[Chorus]
Young girls haven't seen the whole night
And they will hold you, though it might not be tight
And they will kiss you, though it might not be right
'Cause they are young girls
若い女の子は徹夜したことない
いつか君を抱きしめるだろう ぎこちないかもしれないけど
いつか君とキスをするだろう 間違ってるかもしれないけど
だって若い女の子だから

Young girls, I don't care what they say
I want to have you each and every day
I feel you, I don't care what they say
Young girls
若い女の子が何言おうと僕は気にしない
僕がほしいのは君だよ、いつも、毎日
僕は君を感じるんだ、若い女の子の言うことは気にしない

[Verse 3]
I like their talk
Small little words
I like their style, less of the guile
They're straight with you
会話が好き
ちょっとした言葉も
お洒落なのもいいね、ちょうどいい
みんな君に率直だし

[Verse 4]
Don't analyze, don't analyze
You've seen too much
I like the touch of young girls
Young girls
分析しないで、分析しないで
君はたくさんみてきた
僕は若い女の子の感触が好き
若い女の子

[Chorus]
Young girls haven't seen the whole night
And they will hold you, though it might not be tight
And they will kiss you, though it might not be right
'Cause they are young girls
Young girls, I don't care what they say
I want to have you each and every day
I feel you, I don't care what they say
Young girls

[Interlude]

[Chorus]
Young girls, I don't care what they say
I want to have you each and every day
I feel you, I don't care what they say
Young girls
Young girls, I don't care what they say
I want to have you each and every day
I feel you, I don't care what they say
Young girls


[Bridge]
Young girls
Young girls
Young girls
Young girls
Ooh young girls
Young girls ooh

[Chorus]
Young girls, I don't care what they say
I want to have you each and every day
I feel you, I don't care what they say
Young girls
Young girls, I don't care what they say
I want to have you each and every day
I feel you, I don't care what they say
Young girls


■6. "Noisy Boys" 3:55

[Verse 1]
Whispering breeze and the sound of the rain on the awning
Candlelight music, the sound of the leaves in the air
ささやかな風、雨が屋根にあたる音
ロウソクの灯火と音楽、枯葉が宙を舞う音


[Pre-Chorus 1]
All of that makes me feel nervous
I know it's part of your life
But once in a while I just got to be riled
You know it ain't nothin' personal babe
それら全てが僕をナーバスにする
生活の一部だって分かってるよ
でも、いつからか癪に触るようになった
それが個人的なものじゃないってわかってるでしょ

[Chorus]
But noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, get it crashing
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, get it smashing
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, keep on crashing
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, let it out all the way
でもノイジーぼうやはハッピーぼうや
ぶちまけて ぶちまけて ぶつけて
でもノイジーぼうやはハッピーぼうや
ぶちまけ ぶちまけて ぶちこわして
でもノイジーぼうやはハッピーぼうや
ぶちまけて ぶちまけて ぶつけて
でもノイジーぼうやはハッピーぼうや
ぶちまけて ぶちまけて 全部ぶちまけて

 

[Verse 2]
Hush little momma, your daddy has got to be moving
Hush little momma, your daddy is going away
愛しいママをなだめてあげてよ、君のパパは行かなちゃいけない
愛しいママをなだめてあげてよ、君のパパはどっか行っちゃうから


[Pre-Chorus 2]
Once in a while I get edgy
You've seen it happen before
Once in a while I just got to be riled
You know it ain't nothin' personal babe
前にもイライラしたことがある
君は前にもそれが起こったのをみたでしょ
いつからか癪に触るようになったのよ
それが個人的なものじゃないってわかってるでしょ

[Chorus]
But noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, get it crashing
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, get it smashing
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, keep on crashing
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, let it out all the way

[Interlude]

[Chorus]
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, get it crashing
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, get it smashing
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, keep on crashing
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, let it out all the way

[Outro]
But noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, get it crashing
Noisy boys are happy boys
Let it out, let it out, get it smashing

 

■7. "Stereo" Giorgio Moroder, Mael, Mael 4:01

[Verse 1]
Make your choice and that is that
Live with her and don't look back
Easy, simple, tidy, ultra-clean
決断して それだけのこと
彼女と暮らして 振り向かないで
平穏に、シンプルに、きちんと、超清潔に

[Verse 2]
Not with me, I don't know why
To the left and to the right
Good things come from more than just one side
僕と一緒じゃなくね、なんでか分からないけど
左へ右へ
良いことは片側だけからはやって来ないんだ


[Chorus]
In stereo
Stereo
Stereo
In stereo
Stereo
Stereo
ステレオで
ステレオ

[Verse 3]
In a sandwich, in a vice
Stuck with too much paradise
It's okay with me, it's not too bad
サンドイッチ、万力にはさまれて
そこはパラダイスがいっぱいつまってる
僕はそれでOK、悪くない

[Verse 4]
Each of you has other scenes
Smart professors, clean marines
You too live your life in stereo
それぞれ違う業界だしね
有能な教授たち、正真正銘の海兵隊
君もステレオな人生を送ってるんだ


[Chorus]
In stereo
Stereo
Stereo
In stereo
Stereo
Stereo

[Bridge]
In stereo, in stereo
In stereo, in stereo
In stereo, in stereo
In stereo, in stereo
In stereo, in stereo
In stereo, in stereo

[Chorus]
In stereo
Stereo
Stereo
In stereo
Stereo
Stereo

[Outro]
In stereo
Stereo
Stereo

 

■8. "The Greatest Show on Earth"
[Refrain]
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
そのまま進め、彼女のショウは最高だから
そのまま進め、彼女のショウは最高だから
そのまま進め、彼女のショウは最高だから
そのまま進め、彼女のショウは最高だから
そのまま進め、彼女のショウは最高だから
そのまま進め、彼女のショウは最高だから

[Verse 1]
Step right up and see her walkin' down the street, she's something
Watch her check you out and see if you're complete, she's something
(Steady as it goes 'cause she's the greatest show)
みんな、ここに集まって道ゆく彼女をみて
彼女すごいよね
君に視線を送ってる、悟られちゃうよ、彼女すごいよね
(そのまま進め、彼女のショウは最高)

See her tap her foot to nothin' but your heavy breathing
She's the greatest show on earth and I ain't never leaving
(Steady as it goes 'cause she's the greatest show)
彼女が何気なく足をコツコツさせている、君の息は荒い
彼女のショウは地球で一番 僕は絶対ここから動かない
(そのまま進め、彼女のショウは最高)

[Chorus]
'Cause she's the greatest show on earth tonight and every night
And she's worth it even when you gotta pay a heavy price
今夜も毎夜も彼女のショウは地球で1番すごいから
大金をはたく価値だってある

'Cause she's the greatest show on earth tonight and every night
And she's worth it even when you got to push and shove and fight
今夜も毎夜も彼女のショウは地球で1番すごいんだから
押しのけて、突入して、戦う価値だってある


[Refrain]
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show

[Chorus]
'Cause she's the greatest show on earth tonight and every night
And she's worth it even when you gotta pay a heavy price


'Cause she's the greatest show on earth tonight and every night
And she's worth it even when you got to push and shove and fight


[Refrain]
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show

[Verse 2]
You could bring together everyone for one big show
The Four Tops, Moptops, Boston Pops, and Art Laboe
(Steady as it goes 'cause she's the greatest show)
ビッグなフェスのためにたくさんの人を呼び集めることもできるよね
フォー・トップス、モップトップ、ボストンポップス、そして、アート・ラボー


Half a million people pushin' and the crowd says "go"
But I'd be up in my apartment with the greatest show
(Steady as it goes 'cause she's the greatest show)
50万人もが詰めかけて、みんなが「行こう」という
でも、僕は自宅のアパートで素晴らしいショウのために起きていたいと思う

[Chorus]
'Cause she's the greatest show on earth tonight and every night
And she's worth it even when you gotta pay a heavy price

 

'Cause she's the greatest show on earth tonight and every night
And she's worth it even when you got to push and shove and fight


[Refrain]
Steady as it goes 'cause she's the greatest show
Steady as it goes 'cause she's the greatest show

[Chorus]
'Cause she's the greatest show on earth tonight and every night
And she's worth it even when you gotta pay a heavy price


'Cause she's the greatest show on earth tonight and every night
And she's worth it even when you got to push and shove and fight

[Outro]
'Cause she's the greatest show on earth tonight and every night
And she's worth it even when you got to push and shove and fight

 

SPARKS 『No. 1 in Heaven』 全曲和訳

スパークス通算8枚目のアルバム『No. 1 in Heaven』。

ロックバンドが突如としてテクノポップデュオに転向したアルバムは「天国で1番」と宣言するにも相応しい、スパークスのキャリアの中でも屈指のアルバムとなった。

 

プロデューサーはディスコ音楽の祖、ジョルジオ・モロダー。リリースは1979/3/1。まだテクノポップ黎明期だ。ちなみにYMOの1stアルバムは1978/10/25リリースで一足早い。さらにその数年前からはクラフトワークなどが活動しているが、同時期のテクノポップの作品を色々とききくらべてみるのも楽しいだろう。個人的にYMOと似た同時代の雰囲気をまとってるように感じて直接比較してみたのだが、音楽性は全然違っていた。ただ、高橋幸宏よろしくリズムに関してはまだ生ドラムも多用されている。

 

ロックバンドから転向したことの自意識は、例えば、3曲目「甘い生活」のアイロニカルな歌詞から感じることもできる。それにしても、当時としては大きな転向だっただろうが、テクノロジーの進化によって、ドラム、ベースを必要とする従来のバンド形態から解放されたスパークスは、本来、兄弟2人が礎となるユニットなのだ(とはいえ2人だけのユニット形態が活動を続ける上で理想的かというと、そう単純な話でもない)。彼らは奇しくも打ち込み主体の現在の商業音楽の形態を先取りしてしまった。

 

この転向は、歌と鍵盤のデュオだからこそ可能だったといえる。ロン・メイルがもしギタリストだったらこのような転向は難しかったに違いない(というより音楽性すら変わってくるだろう。ピアノのクラシカルな素養がもたらす音楽性、というのはスパークスに限らずあるし、スパークスの楽曲が本国よりもヨーロッパでヒットすることが多いことからも、この事を推し量ることができる)。やはりギタリストの存在はバンド色を強くする。そもそも、ロン・メイル兄の佇まいには鍵盤が似合いすぎているのだ。

1曲目は、スパークスらしい相変わらずの性ネタ、ともいえるが、下ネタを超えて、生命の神秘、生存競争の儚さ、まで感じさせる歌詞は崇高さすらある

その他の曲も含めて相変わらずのウィットがありつつも、アルバム全体を通して感じられるこの格調高さはなんなのだろう。サウンドと歌詞両方に。このアルバムからは、当時の音楽の未知の領域に踏み込むんでいく興奮と、もう絶対に失敗できない、という覚悟が強く感じられる。「天国で1番」というタイトルなんて、よほどじゃないとつけられないと思うけど、これだったらつけちゃっていいじゃん?と思えるほどの楽曲たちが完成してしまったのだ。

 

MVが3曲分あるものの、このテレビ番組の演奏が必見

youtu.be


■1. "Tryouts for the Human Race" 6:05

[Verse]
We're just a gleam in lover's eyes
Steam on sweaty bodies in the night
One of us might make it through
The rest will disappear like dew
Pressure building, gettin' hot
Give it, give it, give it all you got
When that love explosion comes
My, oh my, we want to be someone
僕たちは恋人たちが輝かせる目の光
汗が滴り湯気が立ちこめる夜
1人だけ切り抜けられるかもしれない
残りは露のように消えるだろう
圧が上がる 暑くなってきた
ください ください 君が得た全てを
愛が爆発している時
僕たちはただ何者かになりたいんだ

[Chorus]
Tryouts for the human race from Burlington to Bonn
Ah, we are a quarter billion strong
Tryouts for the human race from twilight time till dawn
We just want to be someone
人間になるための試練
バーリントン発ボン行(の競争:race)
僕たちは2億5千万強
人間になるための試練
黄昏から夜明けまで
僕たちはただ何者かになりたいんだ

[Verse]
We're the future and the past
We're the only way you're gonna last
We're just pawns in a funny game
Tiny actors in the oldest play
It's an angry sea we face
Just to get the chance to join the race
Gotta make it, gotta try
Gotta get the chance to live and die
僕たちは未来と過去
僕たちは君たちが生き続けるための唯一の手段
僕たちはくだらない遊びのただの捨て駒
最古の劇のちっぽけな俳優
荒れた海に立ち向かう
競争に参加するチャンスをただ得るため
やらねば 試さねば
生きるか死ぬか試さねば

[Chorus]
Tryouts for the human race from Burlington to Bonn
Ah, we are a quarter billion strong
Tryouts for the human race from twilight time till dawn
We just want to be someone

[Chorus]
Tryouts for the human race from Burlington to Bonn
Ah, we are a quarter billion strong
Tryouts for the human race from twilight time till dawn
We just want to be someone

[Bridge]
We must, we must, we must leave from here
We must, we must, we must, we must leave from here
Gotta make our play, gotta get away
Gotta make our play, gotta get away
Gotta make our play, gotta get away
Gotta make our play
Let us out of here, let us out of here, let us out of here
ここを ここを ここを出ないといけない
ここを ここを ここを出ないといけない
自分の役を務めるために 出なければ
自分の役を務めるために 出なければ
自分の役を務めるために 出なければ
ここから出して ここから出して ここから出して

[Verse]
We just want to feel the sun
And be your little daughter or your son
We're just words that lovers use
Words that light that automatic fuse
When that love explosion comes
My, oh my, we want to be someone
僕たちはただ太陽を感じたいんだ
そして君の娘か息子になるんだ
僕たちは恋人たちが使うただの言葉
導火線が自然に着火するための言葉
愛が爆発する時
僕たちは何者かになりたいんだ


[Chorus]
Tryouts for the human race from Burlington to Bonn
Ah, we are a quarter billion strong
Tryouts for the human race from twilight time till dawn
We just want to be someone



■2. "Academy Award Performance" Ron Mael 5:00

Play the shark, play the bride
Joan of Arc, Mrs. Hyde
You're a girl with a thousand faces to choose from, do one
サメを演じ、花嫁を演じ
ジャンヌダルク、ハイド夫人
あなたは千もの顔を持つ女性 選ばれし役者

Do the saint, do the waif
Do the child, that was great
Great performances only come with some inspiration
聖人になり、浮浪者になり
子供にもなれる どれも素晴らしい
素晴らしい演技は霊感と共にうまれる

Oh, what a great performance
What a convincing performance
An Academy Award performance
ああ、なんて素晴らしい演技
なんて説得力のある演技
アカデミー賞に値する演技

Well produced, clever lines
Well rehearsed, well defined
There's a goldmine in what you do, but of course you know that
見事な製作、さえた台詞
入念な稽古、立った人物像
あなたの振る舞いがドル箱となる、もちろんお自覚でしょう

That's not bad, nor is that
Very good, so was that
On behalf of the guys you've known, here's your golden trophy
なかなかですね、なかなか
素晴らしい、素晴らしかった
みんなを代表して
トロフィーをどうぞ

Oh, what a great performance
What a convincing performance
An Academy Award performance

Play the scene, naturelle
Drop the lights, drop the towel
No director can tell you what you should do, you'll do it
場面を自然に演じ
ライトが落ち みなが負けを認める
どんな監督も口出しできない
自ら演じてしまうから

What panache, oh what style
Pack the house, pack the aisles
Everyone's in the dark when you're in the room, those rumors
なんて華やか、なんたる風格
満席で通路まで溢れる
みんなが暗闇の中、あなたがそこにいて、まわりがみんなあなたの噂をしてる


Oh, what a great performance
What a convincing performance
An Academy Award performance

Oh, what a great performance
What a convincing performance
An Academy Award performance


■3. "La Dolce Vita" 5:56
[Instrumental Intro]

[Verse 1]
You're the only bank that's open all night
La Dolce Vita
Now that that's clear, can you give me a light?
La Dolce Vita
Now that that's clear, when do we eat?
La Dolce Vita
And now that that's clear, can I have another plate of your
La Dolce Vita?
君は夜中じゅう空いてる唯一の銀行
甘い生活
もういいよね、火をくれない?
甘い生活
もういいよね、いつ食べようか?
甘い生活
もういいよね、もう一皿くれない?
甘い生活

[Chorus]
Goldiggers arise
Goldiggers are hungry guys
Goldiggers are we
Step up follow me
金目当て登場
金目当ての空腹野郎
金目的なのは僕たち
協力して 着いてきて

[Post-Chorus]
Mira, Mira, guys, there's Lira in her eyes
La Dolce Vita
ミラミラガイズ、リラ札が彼女の目に
甘い生活

[Verse 2]
Looking real bored is what you pay me for
La Dolce Vita
Looking real bored's as hard as scrubbing floors
La Dolce Vita
I'm overpaid but still I'll ask for more
La Dolce Vita
Baby, after all you've got to help the poor
La Dolce Vita
本当に暇そうにみえるけど僕に支払ったのは君
甘い生活のために
本当に暇そうだね 床を磨くのと同じくらい
甘い生活
僕は多くもらいすぎだよ でももっと欲しくなりそう
甘い生活のために
結局、君は貧しい人を助けなきゃいけない
甘い生活

[Chorus]
Goldiggers arise
Goldiggers are hungry guys
Goldiggers are we
Step up follow me

[Post-Chorus]
Mira, Mira, guys, there's Lira in her eyes
La Dolce Vita

[Instrumental Bridge]

[Verse 3]
I catch a cold just by looking in your eyes
La Dolce Vita
That's just a hazard in work of this kind
La Dolce Vita
Baby, you're looking younger every day
La Dolce Vita
I really mean it, it ain't just the pay
La Dolce Vita
君の目を見るだけで風邪をひく
甘い生活
こういう仕事をしてたら付きもののリスク
甘い生活
ああ、君はいつも若く見える
甘い生活
本気だよ、お金をもらってるからじゃない
甘い生活

[Chorus]
Goldiggers arise
Goldiggers are hungry guys
Goldiggers are we
Step up follow me


[Post-Chorus]
Mira, Mira, guys, there's Lira in her eyes
La Dolce Vita

[Outro]
Life isn't much, but there's nothing else to do
La Dolce Vita
Life isn't much, but there's nothing else to do
La Dolce Vita
Life isn't much, but there's nothing else to do
La Dolce Vita
人生は満ち足りない でも他に何もやることがない
甘い生活
人生は満ち足りない でも他に何もやることがない
甘い生活
人生は満ち足りない でも他に何もやることがない
甘い生活
人生は満ち足りない でも他に何もやることがない
甘い生活



■4. "Beat the Clock" 4:23

Beat the Clock=時計を叩きのめす→時計に勝つ→間に合わせなきゃ

(You gotta beat the clock, you gotta beat the clock
You gotta beat the clock, you gotta beat the clock
You gotta beat the clock, you gotta beat the clock
You gotta beat the clock, you gotta beat the clock)

I was born a little premature
(You gotta beat the clock, you gotta beat the clock)
僕は少し未熟児で生まれた

Mom just couldn't take no more
(You gotta beat the clock, you gotta beat the clock)
ママは引き取らず

Had no time to learn to cry
Goodbye, Mama, got to fly
Bye, bye, bye, bye, bye, bye, bye
(You gotta beat the clock, you gotta beat the clock
You gotta beat the clock, you gotta beat the clock)
泣くことを学ぶ間もなかった
さようなら、ママ、行かなくちゃ
バイバイバイバイババババイ


Entered school when I was two
(You gotta beat the clock, you gotta beat the clock)
2歳で学校に入学

PhD'd that afternoon
(You gotta beat the clock, you gotta beat the clock)
午後には博士号

Never entered any sports
Didn't look too good in shorts
Got divorced when I was four
(You gotta beat the clock, you gotta beat the clock
You gotta beat the clock, you gotta beat the clock)
運動部には入ってない
短パンは似合わない
4歳で離婚


I've seen everything there is
I've done everything there is
I've met everyone but Liz
Now I've even met ol' Liz
No time for relationship
Skip the foreplay, let 'er rip
You gotta beat the clock, beat the clock
Beat the clock, beat the clock
あらゆる事を見てきた
あらゆる事をすませた
沢山の人と会ってきた リズ以外とは
今リズとも知り合った
関係性を築く時間もなく
前戯をスキップして、服を破らせた(ぶっ飛ばした)

I did lots of travelling
Parts of me unravelling
The Army then rejected me
Said I had two flat feet
Wore them out when I was three
たくさん旅をした
僕の一部がほころび始めた
そして兵役を免れた
両足が扁平足だからって
3歳で足をすり減らしたから


Too bad there ain't ten of you
Then I'd show you what I'd do
I could cheat on five of you
And be faithful to you too
But there's only one of you
君が10人いたらよかったのに
僕が何をしてきたか君に教えてあげるよ
君のうちの5人とは浮気が出来たのに
そりゃ君にも誠実だよ
でも君はたった1人しかいない

I've seen everything there is
I've done everything there is
I've met everyone but Liz
Now I've even met ol' Liz
No time for relationship
Skip the foreplay, let 'er rip
You gotta beat the clock, beat the clock
Beat the clock, beat the clock


■5. "My Other Voice" 4:54
Listen to my other voice
Listen to my other voice
My voice
ワタシノモウヒトツノコエヲキキナサイ
ワタシノモウヒトツノコエヲキキナサイ
ワタシノコエ

[Russell Mael]
You're so independent but that's gonna change real soon
With my other voice I can destroy this room
I'll wrap my voice around you and I'll drag you everywhere
My other voice
君はとてもしっかりしている でも、それも今すぐ変わることだろう
私のもう一つの声で、私はこの部屋を破壊できる
私の声に包まれて、君はそこら中に引きずりまわされる
私のもう一つの声


[Vocoder]
You think you're romantic, well I'll whisper in your ear
I'll be all you'll hear for years and years and years
You may be deaf to everything, you won't be deaf to me
My other voice
君は自分をロマンティックだと思ってる、さあ君の耳に囁きかけてみよう
私の声は何年も何年も君を支配することになるだろう
君は何も聞こえなくなるかもしれない、私の声をのぞいて
私のもう一つの声


■6. "The Number One Song in Heaven"

[Verse 1]
This is the number one song in heaven
Written, of course, by the mightiest hand
All of the angels are sheep in the fold of their master
They always follow the Master and his plan
これは天国で第一位の曲
もちろん神の手によって作曲された
全ての天使は主の手中に納められた羊
天使は皆、主とそのお導きに付き従う


[Verse 2]
This is the number one song in heaven
Why are you hearing it now, you ask?
Maybe you're closer to here than you imagine
Maybe you're closer to here than you care to be
(Maybe you're closer to here than you care to be)
これは天国で第一位の曲
なぜ自分は今この曲をきいてるのかと君は自ら問う
多分思ってたよりも君はここに近づいてるんだ
多分気にしてたよりも君はここに近づいてるんだ

[Part II]

[Chorus]
It's number one all over heaven
It's number one all over heaven
It's number one all over heaven
The number one song all over heaven
天国を通して第一位
天国を通して第一位
天国を通して第一位
天国を通して第一位の曲

[Verse 1]
If you should die before you awake
If you should die while crossing the street
The song that you'll hear, I guarantee
目覚めないで死にゆく運命の時
道路を渡る最中に死にゆく運命の時
あなたはこの曲を聞くでしょう、私が保証します

[Chorus]
It's number one all over heaven
It's number one all over heaven
It's number one all over heaven
The number one song all over heaven

[Verse 2]
The one that's the rage up here in the clouds
Loud as a crowd or soft as a doubt
Lyrically weak, but the music's the thing
ここ、雲の中でガンガン再生されている
大勢の大声 ソフトなダウト
詩的にはイマイチでも、音楽こそが全て

[Bridge]
Gabriel plays it, God how he plays it
Gabriel plays it, God how he plays it
Gabriel plays it, God how he plays it
Gabriel plays it, let's hear him play it
ガブリエルの演奏 なんて見事なのでしょう
ガブリエルの演奏 なんて見事なのでしょう
ガブリエルの演奏 なんて見事なのでしょう
ガブリエルの演奏 彼の演奏に聴き入りましょう

[Instrumental]

[Chorus]
It's number one all over heaven
It's number one all over heaven
It's number one all over heaven
The number one song all over heaven

[Verse 3]
The song filters down, down through the clouds
It reaches the earth and winds all around
And then it breaks up in millions of ways
曲が地上に注がれる 雲をすり抜けて
地球に届き あらゆる場に吹き抜ける
そして幾千にもわかれていく

[Bridge]
It goes "La la la la, la la la la la"
La la la la, la la la la la
La la la la, la la la la la
La la la la la la la la

[Verse 4]
Ooh, in cars it becomes a hit
And in your homes it becomes advertisement
And in the streets it becomes children singing
ああ。車内でヒットして
そして家ではCMソングになって
道端では子供が歌ってるよ

[Outro]
Ooh, la la la la la la la
Ah ooh, la la la la la la la
Ooh, la la la la la la la

 

 

youtu.be

youtu.be

 

youtu.be

SPARKS 『Introducing Sparks』 全曲和訳

Sparks通算7枚目、1977年のアルバム『Introducing Sparks』。普通はデビューアルバムにつけるタイトル(Introducing Kenny Burrell』 『Introducing Wayne Shorter』など、特にジャズアーティストのデビュー盤としては枚挙にいとまがない。ポップス系でもある?)6枚目に持ってきたのはほぼギャグだろうが、心機一転の気持ちも少なからずあったのだろう。凝りに凝ったものの鳴かず飛ばずだった前々作『Indiscreet』、シンプル目にパンクっぽさも出した前作『Big Boy』も売れなかったらしく、本アルバムではサウンド的に模索中、迷走中な感じが出てしまっているのは否めない。1977年の音楽のトレンドがどんなものだったかについては私は当時まだ生まれていなく、この時代のポップソングに詳しくないので何とも言えないが、確かに当時よりも若干ひと昔のサウンドの傾向がある気はする。当時は今よりもテクノロジーの進化、音楽のトレンドの変化がダイナミックで、時代についていくことは大変だったはずだ。そして、このアルバムがあったからこそ、次作『No.1 in heaven』で大きく振り切れることができたと言える。サウンド的には当時のトレンドから外れているのかもしれないものの、グッドチューンだらけ。そして歌詞については相変わらず1曲も手抜かりがなく、全部面白い。エンディングの『Those mysteries』のピュアな歌詞は、スパークスの楽曲の中でも異例なのかもしれないが、この子供の純粋な好奇心と喪失の悲しみが大人のスパークスにつながっていく感じもする。『スパークス・ブラザーズ』でレッチリのフリーが「このアルバムはファッキン傑作だぜ」的なことをいっていて、とても好感がもてた。

 

■表ジャケ

youtu.be


■裏ジャケ

youtu.be

 

■1. "A Big Surprise" 3:42

 

No use in our pretending we don't know what we know

We know a lot of things

たがいに知ってることを知らんぷりしたって無駄だよ

僕たちは色んなこと知ってる

 

I know each muscle on your back and every toe

But you've held out on me, I can tell from your eyes

Disguising the ace that you hold

僕は君の背中の筋肉からつま先一本一本まで知ってるよ

でも君は僕に秘密があるね 君の目で分かるんだ

君は切り札を隠してる

 

I want a big surprise tonight

A really big surprise tonight

It's boy meets girl and here we go once again

Where is that Yankee ingenuity

今夜、サプライズが欲しい

マジで大きなサプライズを今夜

ボーイミーツガール もう一回やろ

アメリカもかつては発展してきたよね?

 

Somebody told me how the motion picture would end

I turned and glared at them

誰かが僕に映画のオチをいってきた

振り返ってにらみつけてやった

 

And then I read the way the world was going to end

With a whimpering sound, not a banging away

I'm sorry I gave it away

それから世界がいかにあっけなく不発で終わりに向かったかを悟った

ごめんね秘密が漏れて

 

 

I want a big surprise tonight

A really big surprise tonight

It's boy meets girl and here we go once again

 

I want a big surprise tonight

A really big surprise tonight

It's boy meets girl and here we go once again

 

Where is that Yankee ingenuity?

 

I want a big surprise tonight

A really big surprise tonight

It's boy meets girl and here we go once again

 

Where is that Yankee ingenuity?

Break the rules and make a fool out of me

Where is that Yankee ingenuity right now?

アメリカもかつては発展してきたよね?

ルールをやぶって、僕をバカにしてよ

あの頃のアメリカは今どこよ?

 

I want a big surprise tonight

A really big surprise tonight

 

 

■2. "Occupation" 5:17

La, La

An Occupation

ラ ラ

職種

 

La, La

An Occupation

ラ ラ

職種

 

La, La

An Occupation for you

ラ ラ

君への職種

 

We cowboys are a hardy breed

We eat our beans and tumbleweed

We're good on horses, good with guns

We smell but so does everyone

カウボーイは屈強な種族

食べるのは自家製の豆と回転草

得意技は乗馬と銃

におうけど、みんなそうだぜ

 

Oh La, La

An Occupation for you

La, La

An Occupation for you

 

We doctors are important men

We make you feel well again

You open wide and we look in

And throw in several aspirin

我々医者は重要です

あなたを元気にします

大きくひらいて みます

アスピリン投与

 

Oh La, La

An Occupation for you

La, La

An Occupation for you

 

There are

色々あるよ

Soldiers

Sailors

Stuntmen

Jailers

Jewelers

G-men

兵士

船乗り

スタントマン

囚人

宝石商

Gメン

 

 

Unless your daddy's rich

パパがお金持ちじゃなければ

 

You need an-ah

You need an-ah

You need an

Occupation

君には必要

君には必要

君には職が必要

 

You need an-ah

You need an-ah

You need an

Occupation

 

La, La

An occupation for you

 

We athletes run around and round

We moan and groan and hit the ground

And when we get to 35

We sell cosmetics and survive

アスリートはたくさん走る

うなり声をあげてグランドを駆け抜ける

(不平不満を言って地に落ちる)

35歳になったら

化粧品を売って生きのびます

 

Oh La, La

An Occupation for you

La, La

An Occupation for you

 

There are

色々あるよ

 

Bodyguards

Bouncers

TV announcers

Farmers

Models

ボディガー

用心棒

アナウンサー

農家

モデル

 

Unless your daddy's rich

 

You need

La, La

An Occupation for you

 

(How 'bout salesmen? Huh?)

(セールスマンはどうよ?)

 

We salesmen can sell a storm

We'll sell ya blankets when you're warm

And if you're really really warm

We'll sell ya two

We've got that charm

セールスマンは笑顔を絶やさない

あったかくてもブランケットを売ります

もしめっちゃあったかい人なら

2つ売ります

それが惹きつけるポイントです

 

 

('n pilots)

(パイロットは?)

 

 

We pilots take you anywhere

We'll be your father in the air

We'll try to look calm and cool

But we're as scared as all of you (Ha, ha)

パイロットはどこでも連れてく

上空の父です

落ち着いてクールぶってるけど

ほんとはみんなと同じくらいの怖いのよ(はは)

 

There are

 

Soldiers and

Sailors

Stuntmen

Jailers

Jewelers

G-men

 

Unless your daddy's filthy rich

パパが超金持ちじゃなければ

 

You need

La, La

An occupation for you

 

 

■3. "Ladies" 3:06

Oh, Oh, Oh, Oh

Oh, Oh, Oh, Oh

 

Ladies, ladies

On the sofa next to me

Are Dinah Shore and Sara Lee

Ladies, ladies

In the backyard climbing trees

Are Princess Grace and Margaret Meade

レディの皆さま

僕の隣のソファには

ダイナ・ショアとサラ・リー

レディの皆さま

裏庭で木に登ってるのは

グレース・ケリーとマーガレット・メード

 

 

Ladies, ladies

And you pull in the driveway, you've been out shopping

I got a hide them, hide all you ladies

Lay down and smile, they're disappearing

And then right after, I welcome home my only lady

My only lady

レディの皆さま

道路に入ったり、買い物してる間に

僕は彼女たちを隠す レディ全員隠します

横たえてから微笑むと、みんな消えて行った

その後すぐ、家でたった1人のレディを迎える

僕のたった1人のレディ

 

 

Ladies, Ladies

Jackie's in the powder room

And Lois Lane will be here soon

Ladies, Ladies

Eva Braun is cracking jokes

While Joan of Arc just sits and smokes

レディの皆さま

ジャッキーが化粧室に

ルイス・レーンはもうすぐ着きます

レディの皆さま

エヴァ・ブラウンがジョークを飛ばしてる

ジャンヌダルクがただ座ってタバコを吸ってるあいだ

 

 

 

Ladies, Ladies

When I call up some buddies, "Hey, come on over

There's ladies present!" We'll be right over!

The ladies hear me, they're disappearing

And then right after

My friends ask me where are all the ladies?

All of the ladies?

レディの皆さま

仲間に電話して「ねえ、ここに来てよ、レディたちがいるよ!」

すぐそっちに行くよ!

レディ達は僕の声を聞いて消えて行った

そのすぐ後、友人達は僕にレディ達がどこにいるのか聞いてきた

レディたちみんなは?

 

Ladies, ladies

In the kitchen baking cake

Is Betty Crocker

Ladies, ladies

Dolly Parton's in my pool

And Aunt Jemima's acting cool

レディの皆さま

キッチンでケーキを焼いているのは

ベティ・クロッカー

レディの皆さま

ドリー・パートンはプールに

ジェミアおばさんはクールにふるまう

 

 

Ladies, ladies

They're really great in person

They get me going

But, I'm not pushy

Don't want to blow it

No six packs know it

They started fading

Come back my ladies

Where would I be without my ladies?

Ladies...

レディの皆さま

ひとりひとりが素晴らしい

僕はブチ上がる

でも僕は強引ではない

台無しにしたくない

腹筋を披露することもない

彼女らは消えて行った

僕のレディ、戻ってきて

彼女たちなしで僕は一体どうすればいいの?

レディたち…

 

 

■4. "I'm Not" 3:26

I'm not

I'm not

 

First I wake up and not shave

Not a very pretty day

Look at the time

It's time to not go out to work today

まず起きて顔は剃らない

あまり良い日ではない

時間をみると

今日は仕事に行かなくていいね

 

I'm not at my best today

I'm not getting dressed today

Look at the time

It's time to not eat lunch with you today

今日は調子良くない

まだ服も着てない

時間をみると

今日は君とランチしにいかなくていいね

 

I'm not fooling when I say

I'm not myself any day

I'm not

In or out or up or down

I'm not

Shutting up or yelling out

I'm not, I'm not

I'm not

ふざけたことは言ってないよ

僕はいつも自分自身じゃないし

中にも外にもいないし、気分は高くも低くもない

だまってないし、叫んでもない

じゃない、じゃない

じゃないのよ

 

 

I'm not buying nothing new

And I'm not trying nothing new

No one makes me feel

As though it matters what I do

何も買ってない

何も新しいことをしないようにしてる

誰も僕の行動なんてどうでもいいみたいだし

 

I'm not watching my TV

And I'm not reading magazines

And I'm not missing much

And that ain't hard for me to see

テレビはみてない

雑誌も読んでない

別になくていい

別にみるのは苦じゃないけどね

 

You're not my type but you can stay

That's long enough, now go away

I'm not

In or out or up or down

I'm not

Shutting up or yelling out

I'm not, I'm not, I'm not

君は僕のタイプじゃないけど、いてもいいよ

もう十分だし、もう行ってよ

僕は中にも外にもいないし、気分は高くも低くもない

だまってないし、叫んでもない

じゃない、じゃない

じゃないのよ

 

I'm not

I'm not

 

First I wake up and not shave

Not a very pretty day

Look at the time

It's time to not go out to work today

 

(I'm not) I'm not

(I'm not) I'm not

(I'm not) I'm not

(I'm not) I'm not

 

 

 

■5. "Forever Young" 3:27

 

I'm gonna beat the devil and stay forever

(Forever young, forever young)

I can't be pushed around and I won't get older

(Forever young, forever young)

魔物をやっつけて、永遠に

(永遠に若く、永遠に若く)

指図されることなく、もう年はとらない

(永遠に若く、永遠に若く)

 

Forever young, forever young tonight and every night

Forever young, forever feeling right

永遠に若く、今夜も今後の夜も永遠に若く

永遠に若く、永遠に気持ちよく

 

I'll sit and watch the history books get thicker

(Forever young, forever, forever young, forever)

(Forever young, forever young)

座りながら歴史の本が分厚くなるのを目にすることだろう

 

I just refuse to be what I'm not this instant

(Forever young, forever young)

I'll meet a million girls in a million places

(Forever young, forever young)

僕は自分がこの瞬間にいないことを拒否する

100万の女の子と100万の場で出会うんだ

 

Forever young, forever young tonight and every night

Forever young, forever feeling right

 

You say I'm playing God, but you're old and wasted

(Forever young, forever, forever young, forever)

(Forever young, forever young)

神様のつもりか、っていうけど君は年をとって衰弱するだけ

 

And I don't care what you do, babe

But as for me, I ain't gonna change, not one bit

I ain't gettin' older and grayer and fatter, uh uh

君が何しようと気にしないよ

でも僕はね、これ以上変わらないんだ これっぽっちもね

年をとらないし、白髪にならないし、太らない

 

Bright lights will burn forever and I'll still see them

(Forever young, forever young)

I've broken every rule and I'll break this last one

(Forever young, forever, forever young, forever)

(Forever young, forever young)

明るい光が永遠に燃え続けて、僕はそれをずっとみるだろう

 

いくつものルールを破ってきた、そしてこれが最後になるだろう

 

 

■6. "Goofing Off" 4:26

Well, the world has started spinning

'Cause the weekend is beginning

So grab anything that moves and bring some cash

世界がまわり始めた

週末が始まったから

何か動いてるのにつかまって、お金を多少持っていこう

 

Yeah, I'm looking at your body

And I think I need your body

Yeah, the whole entire body, bring it here

And we've got two days to try to forget

A week of crap and crud

And we've got two days, so get over here

We're gonna goof off good

うん、僕は君の体をみてるよ

で、君の体が必要だと思ってる

うん、君の体全体だよ ここに持ってきて

で、2日あるし、ごみみたいな一週間を忘れよう

そして、2日あるしこっちにおいで

ぶらぶらしようよ

 

Goofing off, goofing off

I can do it, do it, do it perfectly

Goofing off, goofing off

ぶらぶら ぶらぶら

僕はできる できる 完璧に

ぶらぶら ぶらぶら

 

It's the only thing I gladly do for free

I'm goin' non-stop for 48 hours

Then I'll collapse right here

Then I'll be scooped up and carried to work

喜んでタダで出来る唯一のこと

僕は48時間止まらないよ

そして僕は倒れ込むことになる

そしてすくいあげられて職場へ運ばれる

 

And propped up in a chair

Goofing off, goofing off, goofing off

そして椅子に立てかけられて

仕事をさぼって 仕事をさぼって

 

Plough your way through Monday morning

Plough your way through Tuesday morning

Plough your way through Wednesday, Thursday, Friday too

Then the world begins to spin and spin and spin

And spin and spin and I become a raving, raving, ranting fool

月曜日の朝 頑張り続けて

火曜日の朝 頑張り続けて

水曜日も頑張り続けて

木曜日、金曜日も

そして、世界はまわりまわりまわりはじまる

まわって まわって 僕は馬鹿みたいにわめき始める

 

We're in the weekend, don't blow it, oh no

Don't blow that two day pass

We're in the weekend, so get up and go

Don't sit down on your ass

週末だよ 台無しにしちゃだめ

2日過ぎるのを無駄にしちゃだめ

週末だよ、起きて行こうよ

じっと座ってちゃだめ

 

 

Goofing off, goofing off

I can do it, do it, do it perfectly

Goofing off, goofing off

It's the only thing I gladly do for free

 

I'm goin' non-stop for 48 hours

Then I'll collapse right here

Then I'll be scooped up and carried to work

And propped up in a chair

Goofing off, goofing off, goofing off

 

 

 

 

■7. "Girls on the Brain" 3:41

 

I searched the whole encyclopedia from A to Z

And had no luck, no luck

It listed beriberi, menopause, and even halitosis

No luck, no luck

And then I asked my brother who is kinda thick

Tell me what I got, I'm feeling really sick

辞書をAからZまでくまなく調べた

ついてないよ ついてないよ

かっけ、閉経、口臭症さえのってるのに

ついてない ついてない

兄に誰が体つきがいいか聞いた

僕が何を手にしたか教えて めちゃ気分悪いんだけど

 

Brother, keep away from me

You got girls on the brain

It's really rough when you got

You got girls on the brain

兄さん、こっちこないで

兄さんの脳内には女の子たち

本当に大変だよね

兄さんの脳内には女の子たち

 

Everytime I go to church

I just can't think about the Lord at all

(Girls on the brain) At all

(Girls on the brain) At all

教会に行くときはいつも

神様のことなんて考えられない

(脳内に女の子たち) まったく

(脳内に女の子たち) まったく

 

Everytime I go to work

It seems I'm always walking into walls

(Girls on the brain) Them old walls

(Girls on the brain) Oh no

仕事に行くときはいつも

いつもぶつかってしまう 壁に

(脳内に女の子たち) 女の子という古い壁に

(脳内に女の子たち) オーノー

 

It's getting worse and worse

And then you pat me on the back

In fifty years, you may outgrow it

Just like that

But until then, I got

I got girls on the brain

どんどんダメになっていく

君が僕の背中をぽんとたたく

50年間あれば、脱却できるかもしれない

そんなもんでしょ

でもそれまでは居続けちゃう

脳内に女の子たちが

 

Girls on the brain

Girls on the brain

Boy, I'm in pain

They drive me insane

It's really rough when you got

You got girls on the brain

(God knows it's rough) 

脳内に女の子たち

脳内に女の子たち

おぉ僕はつらい

僕を狂わせる

本当につらいね

脳内に女の子たち

(神はその苦しみを知っている)

 

I'll give this hundred dollar bill

To anybody who can help at all

Don't everybody shout at once

It seems there's nothing can be done at all

It's getting worse and worse, but lately

I can live with it

I'm starting to enjoy it

Just a little bit

100ドル札あげるから

助けてくれる人にはだれでも

みんな一度に叫ばないで

全く何もなしとげられていないみたいだ

どんどん悪くなっていく、でも最近は

ともに生きようと思えるし

楽しめるようになってきた

ほんのちょっとだけど

 

Like it or not, I got

I got girls on the brain

Like it or not, I got

I got girls on the brain

好まずとも、もういるし

脳内に女の子たち

好まずとも、もういるし

脳内に女の子たち

 

 

 

 

 

■8. "Over the Summer" 3:50

 

You've got to trust in summer, miracles can happen if you do

'Cause all that heat speeds change in everything, maybe even you

夏を信じよう、奇跡が起こる 信じれば

だって夏の熱気は何もかも変えてしまうから、多分君さえも

 

If you're a summertime believer

If you're a summertime believer

July, you were the plainest of Janes

Through August, you got rearranged

September, you're not just a brain

もし君が夏を信仰すれば

もし君が夏を信仰すれば

7月はごく普通の女性でも

8月を通して君は変わる

9月、君はもうただの頭脳派じゃない

 

Over the summer, over the summer, over the summer

I tried to find myself this summertime

I found you instead

And please forgive me Karen, but in June you were kind of dead

But, then we had that three day hot spell

夏を通して、夏を通して

僕は自分探しをしていた

でもかわりに君をみつけた

許してカレン、でも君は6月は死んでたも当然だった

でもその後、僕たちは3日間の熱い期間を過ごしたね

 

You really turned into a bombshell

July, you were the plainest of Janes

Through August, you got rearranged

September, you're not just a brain

Over the summer, over the summer, over the summer

君にマジで悩殺させられるとはね

7月はごく普通の女性だった

8月を通して君は変わった

9月、君はもうただの頭脳派じゃない

 

Over the summer you're under the summer sun

Over the summer you're under the summer sun

Over the summer you're under the summer sun

Lying there, lying there, lying there, getting hot

夏を通して君は真夏の太陽のもとで

夏を通して君は真夏の太陽のもとで

夏を通して君は真夏の太陽のもとで

横たわり 横たわり  横たわり 熱くなる

 

You know the records that I got in June don't sound good no more

And all the clothes I bought in June are now rotting in my drawers

But you're a different girl, much better

A little redder, but much better

6月の僕の記録なんてもうどうでもよくなったでしょ

6月に買った服は全部引き出しの中で朽ちてる

でも君はもう前とは違う女の子 めちゃ良いよ

前より赤いけど、断然良い

 

Was it just the heat of the sun

Was it that you had lots of fun

I wish that the summer weren't done

Over the summer, over the summer, over the summer

太陽の暑さのせいだったのかな

たくさん楽しめたかな

まだ夏が終わらないことを願うよ

ひと夏の間 ひと夏の間 夏の彼方に

 

 

 

■9. "Those Mysteries" 5:03

 

Why is there time? Why is there space?

Why are there dogs and cats and trees and the human race?

And why am I here and not over there?

Oh why (why oh why), oh why (why oh why)?

どうして時間があるの?どうして宇宙があるの?

どうして犬や猫や木や人間がいるの?

どうして僕はここにしかいなくて向こうにはいないの?

どうして?どうして?

 

And why are there nuns? And why do they pray?

And where do we go when we pass away?

And why, when I ask my Dad, does he say

'Go ask your Mom or just go away'?

And OK, I'll go away, but they won't go away

どうして修道女がいるの?どうしてお祈りしてるの?

死んだ後はどこにいくの?

どうして、とパパに聞いて言うには「ママに聞いてくれないかな、ちょっとあっちいってて」

うん、OK、いくよ、でも頭からはなれない

 

 

Ooh, those mysteries

Tomorrow I'll find out all I should know

Those mysteries

I don't even know what I don't even know

Those mysteries

They're hanging 'round and around and 'round and 'round

あー不思議だ

明日僕は知りたいことを全部解明するんだ

その不思議を

僕は知らない 自分が何を知らないかさえ

不思議ばかりで頭がぐるぐる ぐるぐる

 

 

Ooh, those mysteries

Tomorrow I'll find out all I should know

Those mysteries

I don't even know what I don't even know

Those mysteries

They're hanging 'round and around and 'round and 'round

 

Why is there you? Why is there me?

Why does my mother kiss my father occasionally?

And why am I sore whenever I'm hit?

Oh why (why oh why), oh why (why oh why)?

どうしてそこに君がいるの?どうして僕がいるの?

どうしてママはたまにパパにキスするの?

どうしてぶつけた時はいつも痛むの?

 

 

And why is there France? And why is there Spain?

And why am I here and why is there rain?

And why, when I ask my Dad, does he say

'Go ask your Mom or just go away'?

And OK, I'll go away, but they won't go away

どうしてフランスがあるの?どうしてスペインがあるの?

どうして僕はここにいて、雨が降ってるの?

 

Ooh, those mysteries

Tomorrow I'll find out all I should know

Those mysteries

I don't even know what I don't even know

Those mysteries

They're hanging 'round and around and 'round and 'round

 

Mmm, those mysteries

Tomorrow I'll find out all I should know

Those mysteries

I don't even know what I don't even know

Those mysteries

They're hanging 'round and around and 'round and 'round

 

Why is there time?

Why is there space?

 

[Instrumental]

 

240214 ポータブルCDプレイヤー

 

 

世の中がどんどん発狂していくのは、あらゆる機器のワイヤレス化が一端を担っているのではないかとBluetoothイアフォンを調べながらなんとなく考えていた。筒井道隆(康隆)の七瀬シリーズを思い出すと、主人公の七瀬は人の心が読めるテレパスの能力を持っていて、彼女は常に他人の悪意にさいなまれている。ここ数年、インターネットを見るたびに他人の悪意にさいなまれるはめになる(もう少し適切にいうなら、他人の「無意識」「欲望」にさいなまれる。「善意」にだってさいなまれる事もある)という面では、僕たちはインターネット(電波)を通じて否が応にもテレパスの機能の一部を身につけているのではないだろうか。

 

などと我ながら半ば暴論だと思うけど、なんでBluetoothイアフォンを調べてたかというと、iPhoneとイヤホンを繋げるDACケーブル(3000円位)が一年位で断線したからである。その前は1000円位のを使っていたが3ヶ月で断線した。もう少し持ちが良さそうなものがないかを調べても種類が少なく次のランクは1万円位になるし、いっそのことワイヤレスにしてしまおうかと思ったが、調べているうちに、(なんだか広島人の気分で)たいぎい気分になってしまった。最近色々と音源を確認する必要はあるんだけど、まあいっか。

 


ここでようやく、この前の正月に帰省した時に確保したポータブルCDプレイヤーの出番がきた。父親が、まだ持ってるで、と引き出しから出してきて、ニッカド電池(懐かしい響き)とACアダプタをネットで3000円くらいで調達してつなげると、なんとちゃんと動作!父親のものだが、多分高2の時に自室にCDコンボが導入できるまで、数ヶ月間か借りて自室で使っていたのを覚えている。しかし外出で使うと若干かさばるわ、というよりそもそもポーブルCDプレイヤーをポータブルした経験ってないやん…と振り返ると、そういえば高校にそういうものを持っていくのってNGな感じやったなあ、とか色々思い出してしまった。電車の中ではよくパットメセニーグループを雰囲気脳内再生していた。我ながらどんな高校生だ。

 

どのアルバムにしようかと迷う暇もなく、ジョニ・ミッチェルのCourt And Sparkを選んだ。セキモト君の愛聴版らしい。

 

2014年頃だったと記憶してるが、ジョニ・ミッチェルの廉価版CDBOXが出た時、Twitterで自分のタイムラインの音楽ファンの間で話題になって買ったものだ。震災後ではあったけど、まだTwitterは牧歌的だった。ギリギリサブスク前の時代。

 

この話も置いといて、このCD BOXでまともに聞いたと言えるのは、ドンファンのじゃじゃ馬娘、だけで、Spotifyから彼女は撤退してるし、正直ジョニミッチェルでアルバム単位できちんと聞いてるのは2枚くらいしかない。

 

むしろトリビュートアルバムの方で、ノンサッチから出てるやつ(プリンスのcase of youなど最高)と、カニエをおさえてグラミーを取ったハービーハンコックのアルバムはめちゃくちゃ好きなアルバムだ。

 

Court And Spark。これしか聞けない制限もあり、行きと休憩と帰りで1日で3回通してきけた。長年と環境が違うので、聞く感覚が違うように感じるのは当然なので、しばらく続けてみよう。

 

音楽自体について。

1回し目は、ポップミュージック基準では、さりげなくも相当変わった構成やコードの響きなのに、すらりと風のようにすぎていく感覚がとても独特だと感じた。特にジョニの声はさっと風のように流れ続けている。

 

最初はその独特さゆえに正直つかみどころがよく分からない(これは自分が、今鳴ってる音楽を演奏するなら、という前提で聞いてるのもあると思う)と感じたが、何回かまわすと、とても心地よくなってきた。

 

これは何か分かりやすいフックがあったり、ミニマルな反復のグルーヴの気持ちよさがあったり、あるいはその音楽のエモーションを感じる、というような分かりやすいつかみどころを理解したというよりかは、絵画の中の光景が徐々に移り変わっていくかのようなありさまを音楽で感受していく、という感覚といえるだろうか。

 

オケを含めた様々な楽器が入っては出ていくアレンジを含めて、時代的にもフュージョン的要素も多く含まれているものの、それだけではくくられない、とても芳醇な音楽だと感じられる。ポップミュージックとしてこのような作品が名作となっているのは素晴らしいことだと思う。今の時代、というよりそれ以前に、彼女以外には成立しにくい音楽ではないだろうか。自分が鈍いだけでそんなこともないのだろうか?

 

似てはいないものの、これは一体なんなんだろう、という面で、最近のCate Le BonやRozi Plainの独自の魅力についても思いをはせたりする。

 

つかみどころ、という言葉を何回か使ったが、音楽のつかみどころとは一体なんなのだろうかと、あらためて思う。

240124

 

Twitter(Twitter)で、Domi and JD Beckが、エイフェックスツインのflimをカバーしてるライブ動画が結構バズっているのを目撃して、「そのカバーってバッドプラスがメジャーデビュー(SONY)でやってるけどなあ。ひゃー21年前…!」とか思ってしまったのだけど、こういう指摘をするだけで、マウントをとっていると捉えられかねないな、だから黙っとこ(通常営業、いや閉店ガラガラ)とか思いつつ、マウントがどうとか置いといて、誰もバッドプラスについて言及してなさそうなバイブスが見受けられるので、何もかも、やっぱり今の時代はそんなものなのか、と思ってしまった。少なくともバッドプラスはそんなものではないはずだ。(というかspotifyでかなり再生されてた記憶があったので今確認すると526万、、)

 

それにしても、この、何もかも何もいえねえ、感、は一体なんなのだろうと自問自答はしてみるものの、何も、先にやってる人が偉いとかそんなことは全くどうでもいいことになっていると思っていたはずではあるのに。確かにバッドプラスは、ジャズの文脈で、人力ドラムンベースとか人力テクノを(その少し後のグラスパーとかのブラックミュージックからのアプローチよりも)一足早く演奏してたと思う。(それよりもさらに前に誰々がやってる、とかあるとは思うが、音楽をそんな考古学じみて掘るのも、今の僕としては優先度的に第100位である。100位以内には残しておきたいということである)

 

何を隠そう、僕にとっての音楽のファーストインパクトは、高一のある冬の土曜に何気なくNHKFMをつけてみた瞬間に流れていたバッドプラスによるスメルズライクティーンズスピリットなのだ。ちなみにニルバーナの事なんて全く聞いたこともなかったし、今もよく知らない。(エイフェックスツインとブロンディは原曲にあたり、その後好きになったのに)。バッドプラスは(ポスト)モダニストだったと思う(簡単にいうと、既存の音楽の価値観を更新させ続ける態度のことである)。これを偶然電波で聴いたせいなのか、そもそもの自分の性格なのか、若気の至りなのか、どれかは分からないが(多分全部だ)、少なくともリスナーとして自分も相当な(ポスト)モダニストになるように運命付けられたと思う。
しかし、(ポスト)モダニストでい続けることはテン年代以降困難になってしまった。

 

バッドプラスからピアノのイーサン・アイヴァーソンが脱退した経緯については全く知らない(多分自己言及的にも明らかにされてないと思う。コマンダンテみたいだ)が、脱退後の彼のソロ(既に数枚あるが、つい5日前にブルーノートからの2枚目がリリース。めちゃいいジャケ)をきいて、モダニストであり続けることの困難さ、その決別ぶりをバシバシと感じられてとても興味深いと丁度思っていた(そもそも、バッドプラス自体、そのごった煮の音楽性で方法論的にスタイルを更新できていたのは、05年のメジャーの3枚目までだと感じていたことも思い出した)。


Domi and JD Beckをいつ知ったのかは、具体的には思い出せないが、コロナよりも大分前、多分2018年位のyoutubeだと思う。共に10代で、小柄の少年の小さいドラムキットによる高速ドラムンベース的演奏に合わせて、長身の少女も高速フレーズをシンクロさせていく、というスタイルで、ジャズ、フュージョンの楽曲を新しい感覚でカバーしてた記憶がとにかく強い。その時すごいなと思ったので、当時上がっていた動画は結構見た記憶があるのだが、見続けていくうちに気になったのは、表面上の新しさよりも、2周以上、少なくとも3周して、上の世代が忌避しがちな昔の感覚を、本人達は何もネガティブに感じずに蘇らせていることである。これも簡単に言えば、ソロを弾きまくることと、カバーでよしとする、という感覚だ。

 

一例としては、この10年で世界中のベーシストはジャコ・パストリアスの呪いから解放されたように僕は感じているのだが、革命家ベーシストのジャコの影響を完全に避けることは困難とはいえ、誰もジャコ本人を越えることはできないし、ジャコとは違う道がある、ということを、多くの音楽家もリスナーも感じていたことだと思う。いかにもなジャコっぽいそれっぽいフレーズを弾く人はここ10年で相当減ったと思うのだ。そんな中で、ウェザーリポートのカバーでDomiが左手でジャコっぽいフレーズのベースソロをバカ弾きしていたのを見て、新しい世代が来たな、と思った。ジャコのことを脇においても、上原ひろみでさえ、最新作で今まで以上に昨今の空気感を読んで昔よりも抑制した演奏をしているように思えるのだが、「弾きまくっていいのだ」 という感覚、過剰(な情報量)をよしとする感覚は、最近の20代前半以下の音楽家で新たに蘇っているとよく感じる。その過剰さの新しさ、とは、カオティックというよりか、統制のとれた状態での過剰さといえる。

 

カバーについては、彼らが作曲しないのか/出来ないのかは当時は分からなかったが、カバーをして曲を拡張させる、というのはジャズの伝統そのものだ。だから、オリジナル曲を演奏することが重きに置かれがちな昨今のジャズ界に対して、何周かしてカバーをする伝統を引き継いでいるように感じていた。新世代のキース・ジャレットみたいだなど(本当にキースを引き継ぐなら完全インプロもしなきゃいけないけど)。なので、18年当時で近々アルバムが出るのだろうな、と思っていたのだが、実際にリリースされたのは23年の去年で、しかもオールオリジナル曲だった。それは今までこの2人が何でバズってきたかを考えると、相当な挑戦であったはずだし、それでこの時間がかかったのだと思う。以下色々と省略するが、次は躊躇せずにカバーアルバムを真剣に作れば良いとは僕は思うのだが、それは既に動画でたくさん上がってるから良いでしょ、ということもあるのかはよくわからない。2人がいつまで共に活動するのか、気になるところだ。